社会福祉法人 札幌緑花会

札幌地区 緑ヶ丘療育園

ホームへ戻る

療養介護・医療型障害児入所施設 緑ヶ丘療育園

施設の特色

  緑ヶ丘療育園は医療法に基づく病院(標榜科:小児科、内科、精神科)であるとともに、児童福祉法に規定される医療型障害児入所施設であり、障害者総合支援法に基づく療養介護を提供する福祉施設でもあります。

病院としては、3つの療育棟に精神病床166床(施設入所定員160床、精神保健福祉法による医療保護入院・任意入院枠6床)を備え、入所利用者には常勤医による診療に加えて、非常勤専門医(皮膚科、整形外科)による定期診察ならびに週2回の訪問歯科診療が行われています。

福祉施設としては、重症心身障害児者入所施設としての役割のほか、在宅の重症心身障害児者に対しての短期入所事業、併設するデイ緑ヶ丘での生活介護・児童発達支援・放課後等デイサービス事業などの各種サービスを行っています。

各部門の紹介

医局

(2024.4.1現在)

 常勤医師6名と非常勤医師および訪問歯科医師等により3つの療育棟の入所利用者に対して充実した健康管理・医療管理を行っています。利用者が体調を崩された時には詳細に診察したうえで、必要な検査を迅速に行い、適切な治療を行うよう心がけています。施設内で高度な治療も行っていますが、さらに専門的治療が必要になった場合には北海道医療センターなどの専門医療機関に入院治療をお願いしています。
当施設のてんかん外来は日本てんかん学会研修施設に認定されています。てんかん外来ではてんかん学会認定てんかん専門医により全年齢(小児から成人)のてんかん患者に対して専門的てんかん診療を行っており、かつ重症心身障害や精神障害などの合併症に関しても包括的に対応しています。さらに、てんかん外来では医療的ケアを要する重症心身障害児者の在宅支援・在宅指導も行っています。
在宅の重症心身障害児者に対する施設全体の支援としては医療型短期入所および生活介護・児童発達支援・放課後デイサービスを行う多機能型事業所のデイ緑ヶ丘を中心に、てんかん外来、外来リハビリテーション、ケースワーカーなどにより対応しています。

医師構成

常勤医師6名と非常勤医師3名の体制で診療を行っています。

常勤医師 非常勤医師
    皆川 公夫(小児科、内科):院長     大河原 章(皮膚科)
    武田 洋司(精神科):副院長     柴田 理恵子(整形外科)
    渡邊 年秀(小児科、内科):副院長   出店 正隆(精神科)
    若松 章夫(小児科、内科):診療部長
    山田 智子(小児科、内科):診療部長
    小林 武志(内科):診療部長

診療体制

皆川 公夫 武田 洋司 皆川 公夫 皆川 公夫 皆川 公夫
武田 洋司 渡邊 年秀 渡邊 年秀 武田 洋司 武田 洋司
渡邊 年秀 若松 章夫 山田 智子 若松 章夫 渡邊 年秀
若松 章夫 山田 智子 小林 武志 山田 智子 若松 章夫
山田 智子 小林 武志 小林 武志
小林 武志
出店 正隆
(午後のみ)
大河原 章
(隔週午後のみ)
柴田 理恵子
(隔週午後のみ)

専門外来

てんかん外来 皆川 公夫(てんかん学会専門医):月・水・木曜日(午前・午後)
渡邊 年秀(てんかん学会専門医):月・火・水・金曜日(午前・午後)

看護部

看護部理念

  • 1)利用者の人権と意志を尊重し、個々のニーズを的確に捉え、やさしさと思いやりのある看護を提供する
  • 2)専門的な知識と技術に基づいた、安全で安楽の質が高い看護を提供する

緑ヶ丘療育園は、基礎疾患をもった重症心身障害児(者)が生涯を過ごす場所です。
私たち看護師は、看護の原点を意識し環境を整える努力をしています。
当施設の利用者には、お腹の調子が悪くても食事をされる方、骨折をしていても歩行をする方、感染症になっていても安静を保つことができない方、痛い痒いなどの症状を訴えることができない方がいます。

緑ヶ丘療育園の看護理念にあるように、看護の「看」は手と目でできています。毎日いろいろな角度から利用者を手と目で観察することを訓練し、いつも傍にいて「かゆい所に手が届く」様な看護を提供したいと思います。その為に、経験年数による院内・院外研修(看護協会・重症協など)への参加を行い、より良い看護が実践できるように努めています。

私たち看護師の配慮のない態度や言葉づかい、利用者の安全な生活を阻害するようなお世話(看護技術)の仕方は利用者により多くの苦痛を与え、その結果辛い日々を送ることにもなりかねません。

「自分の子供だったら…、親・兄弟だったら…、」という当たり前の感覚を決して忘れず、やさしい丁寧な看護が提供できることが私たちの目標です。利用者が生まれもつ力強いエネルギー、その力を十分に発揮できるようにサポートし、高齢化する中でさまざまな問題や課題を”チーム“で支えていきます。

支援部

支援部では緑ヶ丘療育園の基本姿勢に基づいた次の支援目標を掲げています。

集団の中で一人ひとりの願いが消えてしまわないように「どうしたら叶えられるか」を考えます。日常生活の中に楽しみのある日中活動を、小児から高齢の方まで、年齢や障害に合わせて実施できる様に、季節に合わせた活動、個別に合わせた選択活動等を展開していきます。

毎日の暮らしの援助を「優しく」「急がず」進める事でお互いが仲良くなれます。高齢化、重度化が進む中、生活環境を常に見直し、利用者に優しい環境を提供するよう心掛けます。

医療も生活も、「今やっている事が一番良い方法」と決めつける事は出来ません。色々な取り組みをして、利用者の姿を見つめる事を大切にします。画一的な方法ではなく、柔軟な方法で、取り組みを検討していきます。

職員が知識・技量を身につけられるよう職員研修に力を入れています。新任職員には、施設のあゆみ・医療・支援・リハビリ・福祉制度など施設職員に必要な基礎を身につけられるように、実技を交えながら講義を行っています。また、プリセプター制度を利用し、施設独自のプログラムを作成し育成に取り組んでいます。社会福祉協議会、強度行動障害関係、日本重症心身障害関係などの外部研修に参加しています。また、研究にも力を入れ院内実践報告会や、他の研修会で発表し職員のレベルアップにも取り組んでいます。

施設全体行事

同法人の花園学院と連携し、行事を企画・実施しています。

1. ふれあい祭り

年2回、春と秋にお祭りを行っています。外部のパフォーマー・職員・利用者参加の出し物や、業者による飲食の出店、施設の栄養士と給食スタッフによる特殊な食事形態の利用者に対応できるデザートの出店などで、楽しみます。

2. 音楽の集い

音楽家を招き音楽を楽しみます。(クラシック・バンド・歌手など、毎年色々なジャンルの音楽を楽しみます)

3. 長寿を祝う会

還暦・古希、喜寿、傘寿のお祝いをしています。家族の方もお招きし、スライドショーなどで若い頃の思い出を振り返ります。

4. 成人のお祝い

家族の方もお招きし、生まれてから20歳までをスライドショーなどで振り返り、お祝いします。

施設全体活動

1. ホスピタルクラウン

各療育棟に年間3回(計9回)訪問して頂いています。

2. アニマルセラピー

セラピードッグに訪問して頂いています。

3. エステ

各療育棟月1回程度、エステシャンの方に、希望する利用者の施術をして頂いています。

全体支援活動

3つの療育棟で連携し活動を企画・展開しています。

1.戸外活動

(1)ハイキング
近郊の公園を散策し、歌やゲームで遊びます。
(2)水遊び
ビニールプールに水を張り、中庭で水遊びをします。
(3)雪中レク
雪中宝探し・雪だるま作成をし、冬の季節感を楽しんでもらっています。

2.屋内活動

(1)のど自慢大会
特別な衣装で、得意の歌や踊りを披露し楽しみます。
(2)エステサロン
男女問わず全身のマッサージや女性向けのネイル、メイクアップを行います。
(3)お化け屋敷
夏の風物詩、お化け屋敷の雰囲気を楽しみます。

(4)盆踊り
ミニやぐらを設営し、歌や踊りの他、和太鼓を叩いて盆踊りの音楽を流し季節の行事を楽しみます。
(5)生け花
生花を使い、芸術の秋を楽しみます。
(6)レッツ・クッキング
調理を楽しむと同時に、自分で作ったものを味わいます。
(7)ハロウィン・パレード
利用者と職員が仮装し、施設内を練り歩きます。

(8)運動会
借り物競争、玉入れ等の競技を行います。
(9)クリスマス会
様々な内容を企画し、クリスマスの雰囲気を楽しみます。
(10)正月運だめし
会議室内を神社に見立て、初詣の雰囲気を味わいます。
(11)節分
職員が仮装した鬼に豆まきを行い、季節行事を楽しみます。
(12)造形活動
季節ごとの壁飾りや、ふれあい祭りのポスターを作成します。
(13)雨天時の活動
雨天時に機能回復訓練室にて、映画鑑賞会・粘土遊びなどを行います。

療育棟行事

療育棟単位で行事を企画・展開しています。

(1)クリスマス会
家族の方もお招きし、一緒に楽しい時間を過ごします。
(2)選択行事
利用者個々の興味や体力に合わせて、外出する行事(動物園・ドライブ・買い物・温泉・スポーツ観戦など)・飲食する行事(居酒屋・レストラン・焼肉・出前など)・室内で楽しめる行事(音楽会・映画会・リラクゼーション)など、展開しています。

療育棟活動

(1)お誕生会
毎月実施しています。
(2)設定活動
毎週末、活動を企画実施しています。(書初め・ひな祭り・お花見など)
(3)個別活動
利用者個々のニーズに合わせ、個別の活動を展開しています。(散歩・おやつの飲食など)

外出活動

(1)外出支援サービス事業所を利用しての外出
個別に事業所と契約して外出しています。(買い物・ドライブ・実家帰省など)
(2)職員のサポートによる外出
体調面や行動面で特別な配慮を必要とする利用者には、看護師や慣れた職員が引率し外出しています。
※現在、新型コロナウイルス感染予防対策の為、行事及び活動は一部縮小、又は中止しています。

療育棟

1.各療育棟の構成

2024.4.1現在

1階療育棟 2階療育棟 3階療育棟
男女数 男性26名・女性28名 男性31名・女性24名 男性30名・女性22名
年齢 6歳~82歳 27歳~81歳 32歳~83歳
平均年齢 49.3歳 56.1歳 58.5歳
車椅子使用者 49名 46名 27名
食事全介助者 経管14名・全介助15名 経管21名・全介助13名
静脈栄養1名
経管3名・全介助36名
オムツ使用者 49名 46名 44名
視・聴覚障害者 15名 3名 8名

2.1階療育棟

1)園生構成~男女混合編成で、日常生活では全面介助で、医療ケアを必要とする女性利用者と、一部介助を要するもの、自ら活動しようとする利用者まで障害の程度、適応能力・年  齢に幅があります。高齢化対策を含む幅広い援助を必要とされる利用者の構成になっています。
2)運 営~生活体を3つに分け、A生活体は女性2グループ(医療ケアが必要な男性利用者3名含む)、B生活体は男性1グループに分け運営しています。

・A1生活体:日常的にベッド生活を中心とし、全面介助・医療を必要とする利用者。9名(男性3名、女性6名)。
・A2生活体:生活全般に介助と一部医療ケアを必要とする利用者と、日常生活動作について一部介助を要するが自ら活動しようとする利用者。女性22名。
・B生活体:生活全般に介助を要し一部医療を必要とする利用者と、日常生活動作について一部介助を要するが自ら活動しようとする利用者。男性23名。

3.2階療育棟

1)園生構成~男女混合編成で、日常生活では全面介助で、医療ケアを必要とする男性利用者と、一部介助を要するもの、自ら活動しようとする利用者まで障害の程度・適応能力・年齢に幅があります。高齢化対策を含む幅広い援助を必要とされる利用者の構成になっています。

2)運 営~生活体を2に分け、A生活体は男性2グループ、B生活体は女性グループとして運営しています。

・A1生活体 : 日常的にベッド生活を中心とした全面介助、看護を必要とする利用者。男性13名。
・A2生活体 : 生活全般に介助を要する利用者と介助を要するが自ら活動しようとする利用者。男性19名。
・B生活体 : 生活全般に介助を要する利用者と介助を要するが自ら活動しようとする利用者。女性23名。

4.3階療育棟

1)園生編成~男女混合編成で、日常生活に介助を必要とする利用者が多く、障害の程度・年齢・体力などにも幅のある編成になっています。行動障害を有する人達が比較的多い構成になっています。
2) 運    営~各生活体は4つの男女別グループに分かれ運営されています。

・A1生活体:歩行可能者・歩行時要介助者7名及び車椅子移動車4名で、日常生活動作について部分介助を必要とする利用者と自ら活動しようとする利用者。女性11名。
・A2生活体:車椅子移動者9名、歩行時要介助者2名で、生活全般に介助を要し一部医療ケアを必要とする利用者。女性11名。
・B1生活体:歩行可能及び歩行時要介助者17名及び車椅子移動者7名を含む男性23名。動きが活発で、行動障害を有する人達が比較的多い。
・B2生活体:車椅子移動者で、生活全般に介助を要する利用者と、一部医療ケアを必要とする利用者。男性7名。

外来

外来は現在2名の看護師が在籍しています。患者さんの病状に合わせた適切な看護ケアが提供できるよう努めています。患者さんやご家族が安心して在宅生活が送れるように継続的な支援をしたいと考えています。不安やお困りごとがありましたらご気軽にご相談ください。

薬局

薬局では現在薬剤師3名が在籍しています。
主な日常業務として、入所利用者の処方調剤と各療育棟への交付業務、外来患者さんの院外処方箋の確認や調剤、薬の説明書の交付などがあります。
調剤業務においては、散薬監査システムの導入や、交付前のダブルチェックなど、細心の注意を払ってお薬をお届けするように努めています。
また医師が指示した処方内容は、薬の量や剤形、重複、飲み合わせなどの確認を充分に行い交付しています。
各療育棟の担当薬剤師を決め、入所利用者のニーズに合わせて錠剤の粉砕哉簡易懸濁法を取り入れ実施し、担当者が1日分ずつに仕分して棟に交付するなど、きめ細やか対応を心掛けています。
入所利用者や外来の患者さんが、気楽に話しかけてもらえるような優しく暖かい薬局であるよう日々努めています。

放射線部

放射線部には一般撮影装置、透視撮影装置、CT装置の3種類の診断用機器があります。
2015年12月CT装置を、16列型マルチチャンネルCTに更新して運用を開始しました。
このCT装置は被ばく低減フィルターや任意の断面を作れるソフト、3D(立体像)等新しい技術が搭載された最新装置です。検査時間も大幅に短縮され、外来の患者さんや入所中の利用者の検査負担軽減に大いに役立っています。

検査室

 検査室では血液検査、尿検査、インフルエンザウイルス・ヒトメタニュームウイルス・ノロウイルスなどの簡易診断キットによる検査、真菌鏡検などの検体検査と、脳波検査、心電図検査・骨密度検査などの生理検査を行っています。
血液検査は自動分析器を用い、薬物血中濃度、肝機能、腎機能、脂質代謝、膵機能、血球数などの項目を測定しています。約40分で結果報告が可能です。精度管理を行い、正確な結果を迅速に報告できるように心がけています。その他の項目も委託検査にて対応しています。
脳波検査では異常波を検出するため、覚醒時から睡眠時の記録がとても大切です。いつもと違う環境では眠れないという患者さんもいらっしゃいますが、眠れない場合は医師の指示のもとに睡眠導入薬を使用することもあります。安心して検査を受けていただけるよう、部屋の明るさや温度の調整、ぬいぐるみ、おもちゃ、雑誌、DVD、時には童謡や演歌などのBGMを準備し検査を行っています。また、少しでも不安や緊張が和らぐような温かい検査室となるよう、スタッフ一同心がけています。
脳波検査では帽子に電極が付いているキャップタイプ(※1)と1本ずつの頭皮に装着する皿電極(※2)があり、患者さんの要望に合わせて使用しています。検査時間は準備を含めると約1時間から1時間半、眠れなければもう少しかかります。もし、このような環境であれば眠りやすいなど、ご要望がありましたらお気軽にスタッフまでお申し付けください。
また脳波検査後は頭にゼリーなどが付きます。洗髪ができるようシャンプー、コンディショナー、ドライヤー、タオル、ケープ、ブラシなどを用意してありますのでご利用ください。

リハビリ

リハビリテーション課

 リハビリテーション課は現在常勤7名の部署です。理学療法士3名、作業療法士3名、言語聴覚士1名が在籍しており、各職種に1名ずつアドバイザー(非常勤)がつき、利用者の生活やセラピストの指導・助言を頂いています。
個別リハビリ・グループリハビリ(活動)を通じて、療育棟と連携しながら利用者様が“楽しく健康に生活できる”援助しています。「身体機能の維持・改善」「日常生活の支援」「活動参加」や「生活の質の向上」を目的とし実施しています。

理学療法(PT:Physical Therapy)

重度な障害を持ち臥位や座位姿勢で主に生活されている利用者様を中心に理学療法を行っています。高齢化による機能低下の予防も重要と捉え、運動機能の高い利用者様も含め定期評価を行っています。1日の活動量を増やし急な機能低下を予防する目的で、日課の提案やコロナの感染対策で実施を控えていますが、テーマを決めグループを作り活動も実施していました。
重度な障害を持つ利用者様には心地よく豊かな生活が送れるように、現在の機能の維持や獲得できる運動の促し、変形拘縮予防のため運動療法や呼吸理学療法を実施しています。普段の生活や活動に参加しやすいように様々なポジショニングの提案や車いすや姿勢保持具の作成も行っています。また、多職種連携の基、運動機能の変化に伴う介助・介護方法の検討や指導を行っています。
四つ這いや歩行が可能な利用者様には運動機能が低下しないよう運動の提供と機能低下予防・早期発見のため定期的な評価を行っています。療育棟や外出の際に安全に移動、活動参加できるように多職種連携の基、介助・介護方法の検討や指導も行っています。

=主な取り組み=
・グループリハビリ
利用者様の機能低下を予防する目的として運動の機会を提供しています。普段個別リハビリを行っていない利用者様にも関わることで、身体状況の把握にもつながっています。
内容は毎月テーマを決め療育棟職員と連携し、療育棟内で行っています。テーマは4つ「歩行」・「排便促通」・「呼吸・リラクゼーション」・「バランスアップ」など生活に関連した事をテーマとして参加者を決め行っています。

・装具
入所者様の生活に必要な補装具(車椅子・座位保持装置・工房バギー・下肢装具・保護帽など)を身体の状態に合わせ使用しやすいよう作成時から相談・作製・調整に携わっています。また、業者による車椅子の定期点検も行っています。

作業療法(OT:Occupational Therapy)

 食事や身辺動作・学習・遊び・休息などの日常のあらゆる活動に対して、身体機能や感覚、認知的な機能への直接的な支援に加え、環境の設定や自助具の作製など総合的に支援しています。
重度な障害をもつことで、様々な感覚面の悩みや困難さを抱える利用者が沢山いらっしゃいます。そのような利用者に対して、感覚特性を評価し、刺激の提示方法の工夫や、受け入れの良い姿勢・周辺環境の整備を行い、リラックスできる活動や楽しめる活動が増えるよう支援します。身体障害があっても、自助具やスイッチデバイスの工夫や練習をすることで限られた機能を活かし活動を楽しめるよう支援します。

=主な取り組み=
・行動障害をもつ人の支援
自閉症スペクトラム、行動障害を有している方もたくさんいらっしゃいます。
感覚面、発達的側面を評価し、どのような関わり方なら受け入れられるのか、どのような活動なら出来るのか、評価しながら関わっています。日常では、机上活動などに取り組めない方でも、リハ室での環境設定を行うことで、受け入れられる活動が増えていくよう支援しています。また、その情報を療育棟と共有し、利用者の支援に携わっています。
・グループリハビリ
利用者の個性に合わせ2~4名程度の小集団でリハビリを行っています。
施設内では利用者同士の関わりに限りがあり、会話ができる利用者に対して、仲間づくりの支援、コミュニケーションの促し、作品作り・カラオケなどを通して、楽しい「場」を共有することを目的とした活動も行っています。
また、より障害が重度な方に対しては、持っている機能の中で楽しめる・気付ける活動を増やすことを目標に療育棟内でスヌーズレン活動なども行っています。

言語聴覚療法(ST : Speech-Language-Hearing Therapy)

「食べること」と「コミュニケーション」の困難さを抱える利用者の方々に練習・指導を行っています。食べる機能は、全身の重症度や知的発達の程度に大きく影響を受けます。加齢による機能低下もあるため、できるだけ長い間、口から食べることを楽しめるよう、安全な食べ方や練習方法を立案し、対策の提案を行っています。
また、重度な障害をもつ利用者の方々は、自分の気持ちを表現することや、周囲からの働きかけを受け止めることに困難さを抱えていることが少なくありません。例えば、運動の制約が大きい方は、ことばだけでなく様々な表出行動の発達の遅れから、表現していることを周囲に気づかれにくいことがあります。彼らの非音声言語的なコミュニケーション行動に着目し、その意味を理解して応えながら、コミュニケーション機能を少しずつ広げていくかかわりを行っています。
また、音声表出が困難な場合に、音声再生機器や絵カードなどの拡大代替コミュニケーション手段(AAC: Augmentative Alternative Communication)の獲得練習も行っています。操作しやすい玩具や身近な楽器を用いて、物への興味や操作する楽しみを育てることが、その後のことばの発達やコミュニケーション・社会性の広がり、AAC手段の獲得に向けて大切な土台となります。

=主な取り組み=
・摂食嚥下
私たちが食事をする際には、頭部・体幹が安定し、顎、舌、口唇がそれぞれ協調して動いており、安定してなめらかに動いています。しかし、重度な障害を抱える方々は、頭部・体幹の安定や、顎、舌、口唇の協調した動きが困難なことから、咀嚼や水分を飲むことが難しい場合が多いです。その方の特性を理解しつつ、より安全に楽しく食事ができるように、適した食形態や介助方法の選択を行うための評価を行っています。また、口と喉の機能維持・向上を目的として、機能的口腔ケアやガーゼに包んだスナック菓子などの咀嚼練習を行っています。呼気コントロールの可能な方には、吹き戻しや小さなボールをゴールに入れるなど、吹く練習を工夫して、一緒に数えながら行っています。

・コミュニケーション
コミュニケーションの基礎となる自分から伝える気持ちを育てるとともに、周囲からのはたらきかけを受けとめやすくする工夫を行っています。他の利用者様に注目されることが、気持ちを伝えたいという意欲の高まるきっかけになるため、PT・OTと協働して小集団での活動の場も展開しています。利用者の方一人一人の発達特性に応じて楽しめる工夫を個々に合わせて行っています

相談室

緑ヶ丘療育園の事業(福祉事業)を新規にご利用希望の方、ご利用中の方のための相談窓口です。
ケースワーカー2名体制で、院内各部門だけではなく、他院、他事業所、行政などと連携をとりながら業務を行っています。

○主な業務
院内事業の利用相談・手続きと、継続利用のための支援。
各種制度申請にかかる相談。手続き支援。
診断書・意見書・指示書等の作成支援。
*当院事業ご利用中の方の相談内容につきましては、制限はありませんが、内容により、地域相談支援をご紹介させていただくことがあります。

法律、制度は年々複雑に変わっていきますが、利用者の方や家族の「想い」も日々変わっていきます。一緒に考えながら、地域の生活のお手伝いをしていきたいと思っています。お気軽にご相談ください。

栄養

NST栄養サポートチーム

医師・管理栄養士・看護師・薬剤師・育成職・調理師が協力し、利用者の健康状態、嚥下機能、嗜好に合わせた食事の内容や形態、食器を検討し、安全で楽しい食事の提供を目指しています。
当施設では嚥下機能に合わせ、普通食・ソフト食・ゼリー食・流動食の4種類の形態を用意しています。
また、安全な水分摂取のための「お茶ゼリー」や、食の進まない方への「高栄養プリン」などの提供、アレルギーのある方へは確認作業を徹底して安全な「除去食」を提供するなど、出来るだけ多くのニーズに答えるよう日々努めています。

給食スタッフ

管理栄養士・病院給食専門調理師・調理師・他 計24名一同、NSTサポートチームと連携をとりながら、食べやすさだけではなく味と見た目にこだわり、常に新しいことへのチャレンジを忘れず安全で楽しい食事の提供に努力してまいります。

食事形態

普通食 ソフト食 ゼリー食 流動食 経管栄養
特徴 嚥下機能は比較的良好

咀嚼が完全ではない

嚥下機能は低下

咀嚼が不十分

窒息のリスクがある

嚥下機能は低下

咽頭流入がある

水分・粒に誤嚥が認められる

嚥下機能は低下

固形物での窒息のリスクがある

内容 切り方・調理法で食べやすさに配慮する 舌やスプーン等で潰せる状態

圧力調理・ゼリー状・きさみ等

ゼリー状 ペースト状 濃厚流動食
普通食 ソフト食 ゼリー食
鶏の梅焼き kari-01 kari-02 kari-03
鮭のもみじ焼き kari-04 kari-05 kari-06

嚥下食いろいろ

見た目・味・食べやすさを工夫したソフト食、ゼリー食の一例

omuretu
オムレツゼリー

チキンロールゼリー

グラタン流動
bekomoti
べこもちゼリー
susi
寿司ソフト
kayu1
粥ゼリー(100kcal)

200kcalプリン

イオンサポートゼリー
otya
お茶ゼリー

月に一度のお楽しみメニュー


魚介のヴァプール
unagi
鰻の炊込みご飯
taimen
鯛めん

療養介護・医療型障害児入所施設 緑ヶ丘療育園
〒063-0003 北海道札幌市西区山の手3条12丁目3番12号
TEL.011-611-9301 FAX.011-621-7404
E-mail.midori@ryokkakai.or.jp